1. |
最高気温がよだれをたれている
05:43
|
|||
|
最高気温が よだれをたれている
街は気だるそうに 散歩している
君はいらないサングラスを 買っている
作文には 書き忘れたような
なるべくあてにならないこと 待ってる
最高気温が よだれをたれている
アイスキャンディの棒ばかり 落ちている
誰かと 誰かの境目が 溶けている
ブルーシートみたい デタラメ 夏の空
君と寝そべって 時間を丸めてみる
最高気温が よだれをたれている
俺みたい 長居する客をすぐに
追い出すために 効きすぎた冷房が
今日はいつもより 思いっきり息を吐く
最高気温がよだれをたれている
|
||||
2. |
小海町
02:40
|
|||
|
長いだけの夏のおわりが 差し迫っている
ため息から続く言葉は 立ち止まっている
洗い場にたまった 考えにつまった
長いだけの夏のおわりが 差し迫っている
深いだけの夜のとばりが 下りはじめている
駆引きから進むことから 逃げ回っている
まかりとおっていた それでもよかった
深いだけの夜のとばりが 下りはじめている
長いだけの夏のおわりが 差し迫っている
ため息から続く言葉は立ち止まっている
長いだけの夏のおわりが 差し迫っている
ため息から続く言葉は立ち止まっている
|
||||
3. |
何も
02:59
|
|||
|
何も言うことさえできずに
磨り硝子 後ろ姿 溶けていく
いつのまにか なぞりがきした
安いインクの 違う顔 浮かぶ
いつまであの日 吐いた言葉の
終わらない 響きの中にいるの？
首を傾げた 同じ角度から
さした光で 本音は 焦げた
夏の終わりの下 枯れたキャベツのような
摘み忘れた声が 山に跳ね返る
影 洗ったはずだった
もう 行かないと どこへ？
|
||||
4. |
同じ夢
04:04
|
|||
|
何度も 踏みつけた景色の中で
フェンスの 隙間をさがして 歩いて
こじつけで こじあけた行き先に 笑いあう
同じ夢 見れるわけもないけど
同じ夢 見れるわけもないけど
最後に 鳴るはずの合図を待っても
何度も スヌーズの中で うんざりで
テーブルに たべかけのおまじない 唱えあう
同じ夢 見れるわけもないけど
同じ夢 見れるわけもないけど
何度も 踏みつけた景色の中で
フェンスの 隙間をさがして
ないものねだりを あきらめる その前に
|
||||
5. |
霧ははぐれた
04:33
|
|||
|
きまぐれの癇癪で あの霧は 街へ出た
山からはぐれて よすがもなく
憶測の憂鬱も 空焚きの前向きも
水溶性の 記憶に変わる
目くばせの 瞬きも
諳んじてた 歌さえも
白い炎に 投げこまれる
きまぐれの癇癪で あの霧は 街へ出た
山からはぐれて よすがもなく
はじまりの 位置どりも
おしまいの その合図も
水溶性の 記憶に変わる
冴えわたる 悪口も
ひらきなおる あの猫背も
煙る 水の粒の 中へ
目くばせの 瞬きも
諳んじてた 歌さえも
白い炎に 投げこまれる
|
||||
6. |
明白な海
04:41
|
|||
|
急勾配の あこがれは
風に 錆びて
表情のない 明白な海の前で
つぎの 瞬きのあとに
何を 浮かべればいい？
凍る 朝の光は 眩しくはないけど
船はくるのか もういってしまったのか
ありあまる空 藍色に黙りこくる
つぎの 息継ぎのあとに
何を 沈めればいい？
道に 撒かれた言葉の
予感は 蛇行する
つぎの 瞬きのあとに
何を 浮かべればいい？
つぎの 息継ぎのあとに
何を 沈めればいい？
いつもどおりは おしまい
はぐれてしまえればいい
いつもどおりは おしまい
はぐれてしまえればいい
急勾配の あこがれは
風に 錆びて
表情のない 明白な海の前で
|
||||
7. |
さかさまの夕焼け
03:06
|
|||
|
計画は なにひとつ 叶わずに 帰り道
さかさまの夕焼けの はじっこへ おちていく
食べごろの 憂鬱が 焦げついた 鍋の底
溢れだす 川岸に 方舟は こなかった
督促を破り捨てて 変われないまま 歩き出す
計画は なにひとつ 叶わずに 帰り道
地図の上 寄る辺なく うづくまる 青い点
夢でみた あの場所に 戻るより その前に
言い澱む 生焼けの 言葉だけ 話したい
道の隅で 押し売られた 安い呪文も
着膨れした 言い訳の ほつれ目も
気にもとめずに 誰にも言わずに
変われないまま 歩き出す
計画は なにひとつ 叶わずに 帰り道
さかさまの夕焼けの はじっこが 目にしみる
|
||||
TANGINGUGUN Matsumoto, Japan
2016年夏に松本で結成されたツインボーカルのサイケデリックポップ / ウィアードポップバンド。読み方はタンギンググン。くぐもったエコーサウンドの中で、情感たっぷりなどこか歌謡的なメロディ&ハーモニー、土臭いサイケデリア、こっそりとしたへんてこファンクネスが混沌と煮込まれた異形のポップソングを鳴らす。2017年夏の終わりに初音源となる5曲入りカセットテープ『馬鹿な魚』をリリース。 2018年6月には、松本のバンドher braidsとともに韓国・ソウルで2日間のスプリットライブを行う。2020年3月に、７曲入りカセットテープ『安い呪文』をリリース。2021年7月に、初のフルアルバムでありエレクトロニックを用いて制作された奇妙なベッドルームポップアルバム『遠くのボンゴ』をリリース。 ... more
If you like TANGINGUGUN, you may also like:
そこにいる / soko ni iru 2 （Compilation of Give me little more）
by Give me little more
supported by 6 fans who also own “安い呪文”
go to album
そこにいる / soko ni iru 1 （Compilation of Give me little more）
by V.A.
supported by 5 fans who also own “安い呪文”
go to album
supported by 4 fans who also own “安い呪文”
go to album
I Will Be the Sun for You
by Sally Dige
The brilliant Sally Dige returns with this sweeping new single that is grand in scope and centered on a radiant chorus.
go to album
Propulsive and tuneful dark pop from this LA band, available on black or opaque maroon vinyl.
go to album
The Boston lo-fi psych-pop artist goes full dark synth on this immersive and catchy new release.
go to album
Yesterday's Glitter
by Indianna Hale
Indianna Hale's cosmic Americana is equal parts spooky and inviting, the warm sonic palette a cushion for her eerie songs.
go to album
